i-signal事業

開発経緯

i-signalは、音と光による信号情報伝達、衝撃吸収性に優れたゴム製ボディ、特殊塗装技術による視認性の向上など「交通弱者である高齢者・視覚障がい者の方が安全に街中を歩行できる」ことをコンセプトにしたユニバーサル社会の実現に必要不可欠な歩行者補助信号機です。

連携企業

i-signalの開発経緯

平成18年12月20日「高齢者、障がい者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)」が施行されました。 日常生活で利用する施設を広く対象にされており、生活空間全体におけるバリアフリー化を進めなければなりません。
我が国は、急速な高齢化社会への進展と、ノーマライゼーション※の思想から、高齢者や身体障がい者等の自立した生活が保障されるインフラ整備が重要視される様になりました。
その中で高齢者・視覚障がい者の方が直面している問題を何とかしたいという思いから開発がはじまりました。

※ノーマライゼーション 高齢者も若者も、障がいのある人も健常者も、すべての人が、平等に区別されることなく、生活を共にする事が正常な社会環境であるという理念。

高齢者・視覚障がい者の方が直面している問題

現在の歩行者信号機は設置場所が遠く、高齢者や視覚障がい者(弱視者)の方にとって視認性が不十分との指摘があります。

音響信号機は近隣への騒音に対する配慮から、特に早朝や夜間は、多くの交差点で誘導音が止められてしまいます。

音響信号機の誘導音が止められている時間帯は、視覚障がい者の方は、車の走行音、エンジン音を頼りに横断しており、歩行者のみならず自動車にとっても大変危険です。

平成25年には全国民の約4分の1(約3,000万人)が65歳以上の高齢者になります。また、視覚障がい者は全国に30万人で、その半数以上の方が弱視者です。横断歩道の手前に信号の補助装置を設置すれば確実に情報を伝達可能です。

高齢者・視覚障がい者誘導システム検討委員会による有効性の検証

平成19年4月に都市交通・ユニバーサルデザイン・交通心理学専攻の学識者らを中心に構成委員とした検討委員会「高齢者・視覚障がい者誘導システム検討委員会(略称:IGS委員会)」が発足いたしました。このIGS検討委員会により様々な実証実験及びアンケート調査を実施しております。 これまでの実験により、高齢者や視覚障がい者のみならず、背の低い子供にとっても、横断歩道の手前で目線の近くにある信号情報を確実 に得ることができるため、有効であることが明らかとなっております。

視覚障がい者にとって、信号交差点は灯器状態がわかりにくく、片側1車線でも見えに くい人が存在します。
それらと「i-signal®」の関係を図に示すと、上記のようになり、横断距離の長い交差点では特に「i-signal®」の効果が大きいことがわかります。

大阪府立盲学校の視認性試験(安全性の向上について)

上のグラフは最大視力と「i-signal」により歩行時の安全が向上するかについて質問したものです。
「どちらかといえば向上する」まで含めると約9割の人が向上すると回答しました。